shojiの伝統産業を巡る旅

名古屋の学生、shojiが各地の伝統産業を徘徊してます。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

[タグ未指定]
[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

伝統工芸士、栗盛俊二さんに聞きました。

コンポ 1 (0;00;00;00)_7 のコピー

曲げわっぱ栗久の代表、伝統工芸士、栗盛俊二さんにいろいろお話を伺いました。
雑誌などで目にしてる方も多いかと思います。

写真ではよく見にしていたので「どんな方だろう」と思っていましたが、お会いすれば大らかで気さくな方でした。

実は出張の出発間際で、この日を逃すと栗盛さんにもう会えないと知り、急遽アポ無し、営業時刻終了後に訪問してしまいました・・・。

話の内容をまとめましたのでどうぞ。



栗盛さんの親父さんは樺細工職人、親父さんの弟が曲げわっぱ。だから自分も父のために曲げわっぱやったほうがいいだろうと思い、能代工業高校の木材工芸科に進学。その後、親父さんと一緒にいろんなものをつくりながら覚えていったそうです。

デザインも自社で行い、昭和43年に角盆が秋田県第一号のグッドデザイン賞を受ける。
DSC_3551 のコピー

「こういう工芸品でもグッドデザイン賞を頂けるんだ。」と自分の励みにもなったとのこと。


昭和55年に大館曲げわっぱは当時通産省から伝統的工芸品の産地指定を受ける。こうした産地指定を受け、仙台にある東北工業大学、当時工業意匠科にデザイン、産地指導を依頼。そして大学からの巡回指導やディスカッションを通し、大館曲げわっぱは大きく変貌した。

当時、産地指定を受けたばかりの頃は、曲げわっぱと言えば、ベルトサンダー、自動カンナ、丸ノコがあれば少し手の利くおやっさんなら誰でもつくれるものであった。建具屋なら木を煮る工程が挟まれぐらいでそのまま曲げわっぱをつくることができました。
しかし、当時の曲げわっぱはサンドペーパーで表面を軽く整える程度で、仕上げも雑。エッジが立ち女性の手には馴染みにくいものであまり売れなかったそうです。

これではいけない、とのことで、東北工業大学の指導のもと、エッジを取り丸面処理をし、スタッキング(積み上げ)が出来るようにし、使いやすさを追求。さらに、木部の強化のため、プリポリマー含浸法(樹脂が硬化剤などにより架橋する前段階の状態のものを含浸させる方法)を産地にもたらし、強度のある曲げわっぱがつくれるようになりました。
現在となってはどれもも一般的になった方法ですが、以前の産地には無いものだったそうです。以前の曲げわっぱからは今のように工芸品として発展していくとは誰も思ってもみなかったほど。


「時代のニーズに応え、形に出来なければ伝統工芸品ではない」

と栗盛さんはおっしゃいます。
丸面処理、スタッキング、使いやすさをさらに追求する為に、すり鉢形が出来ないかと考案。
当初は塩ビパイプですり鉢形の型を作り、それにはめ込んで試作をした。
昭和56~7頃に試作を重ね、その1,2年後に完成。61年にはGマークを取得。

円筒形が常識であった曲げわっぱの中で、それは画期的且つ周りも「びっくりしゃっくり」だったそう。
今ではすっかり栗久の顔となっています。
DSC_3585 のコピー
コンポ 1 (0;00;09;06) のコピー
今ではこのような金属の型にはめて成形している。

「職人ってのは、追っかけて、常に失敗を恐れずに、何回も失敗をして、なるほどなって発見をする。そうやって考えるとそんなに難しいことではない。」
そうやってこのすり鉢型も可能にしてきた栗盛さん。
つくる人のスタンスがこうもモノに表れるものかと感心しました。


栗盛さんはとりわけ、製品としての品質にこだわりを持っているそうです。
お代をもらう商品に、ばらつきは許されない。強度、質感を一定に保つことを心がけているそうです。
そのために、栗盛さん自らいろんな道具を考案し、手でやる作業を道具化し、誰が作業しても品質が安定するようにしているとのこと。
「道具をつくることは得意。それが自分の使命。」「勘でつくるのは大嫌い。」
と、その言葉からは品質へのこだわりがひしと感じられます。


・・・間違いなく栗盛さんは理系です。

「あくなき挑戦は大好き。」
と、常に新しいアイデアを温めているそうです。
そのためには曲げわっぱから離れることも重要。曲げわっぱが山積みされた環境ではゲップが出てしまう、と。
だから百貨店の実演販売が終わった後の時間は貴重な時間なんだそう。


そうして温めたアイデアを形にしては奥さんに「どうだ!」といきなり見せるもんだから、奥さんも困り顔。
ですが、
「女兄弟の末っ子だから褒めれば喜ぶのよ。」
と奥さんも手慣れている様子(笑)


出張の出発間際にお邪魔したにも関わらず丁寧に話をしてくれた栗盛さん。
最後に「もうちょっと早く会いたかったな。」の栗盛さんの言葉に、僕も早く会えてたら良かったなと思いました。
この日を逃していたら会わずに大館を離れることになっていたので、アポ無しでも滑り込んでよかったと思いました。

栗盛さんありがとうございました!
次回は工房の様子。
スポンサーサイト

[タグ未指定]
[ 2010/09/15 17:11 ] 大館曲げわっぱ | TB(0) | CM(0)
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
プロフィール

shoji

Author:shoji
名古屋の学生です。
今年度は日本の伝統産業を巡る旅に出てます。
旅先で見たこと体験したことを日々綴っていきます。

※すでに旅は終了しています。

mail:cus-show at hotmail.co.jp



    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。