shojiの伝統産業を巡る旅

名古屋の学生、shojiが各地の伝統産業を徘徊してます。

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南部鉄器、鉄瓶について。

コンポ 1 (0;00;09;00) のコピー

さて、南部鉄器、鉄瓶についてのお話。

南部鉄器の始まりは、17世紀中頃、南部藩主が京都から盛岡に釜師を招き、茶の湯釜をつくらせたのが始まりといわれます。

DSC_3989.jpg

当然、湯釜ですので、今のように取っ手や注ぎ口があるわけではありません。
18世紀になって、お茶が好きなお殿様がより手軽にお茶が楽しめるようにと、小型化、取っ手、注ぎ口をつけ、今のようなヤカン型をつくらせた、と言われています。

湯釜が大本ですから、そもそも持ち上げて使うものではなく、その場で傾けて湯を注ぐか、柄杓ですくって注ぐものだそうです。

とはいえ、ヤカン型であるから持ち上げて使いたくなっちゃいますよね。そうした要望に応えるべく、鉄瓶も軽くなってきました。

実際、お値段が張るものは意外と軽く、安いものほど重い印象です。軽いということは鉄の厚さを薄くしているためその分つくるのが難しいのです。

南部鉄瓶がどのようにつくられているか。
南部鉄器工房「藤枝工房」さんのHPで詳しく書かれているので、詳細はそちらで。

超大まかに言いますと、「鋳物」です!当たり前ですが。
ただ、鉄=鍛冶屋がトンカンっていうイメージの人がいるかもしれないので念のため。

粘土で鋳型をつくり、そこに溶かした鉄を流し込んでつくります。
鋳型づくりの段階では陶器をつくっているのかと思うくらい、南部鉄器づくりは、鋳型づくりなんです。
DSC_3901.jpg
図にあるように、鋳型はいくつかのパーツに分かれています。
鉄瓶の中の空洞を確保する為に「中子」という型を入れます。そしてこの中子は鉄が固まったあと金槌で割ってとりだすんです。鉄瓶一個につき一個の中子が消費されるのです。

DSC_3894.jpg
そして南部鉄瓶には「鉉(つる)」と呼ばれる取っ手がつきます。
いろいろな形がありますが、本格的な南部鉄瓶ですと取っ手が中空の「袋鉉」が用いられます。

DSC_3893.jpg
このように、一枚の鉄板を熱して叩いて中空の袋鉉が出来上がります。ですので鍛冶屋の領域となり、南部鉄器職人とはまた別に職人がいます。

もちろん、そのぶん高価になりますが、中空の鉉は握っても熱くなりません。ですから大金を払ってでもこの袋鉉が欲しいというお客さんもいらっしゃいます。


そして鉄瓶の一番の良さはなんといっても、水がおいしくなり、そのうえ鉄分を補給できるところ。
水がおいしくなるという理由は、水に溶け出した鉄イオンが塩素を除去してくれるからだそうです。(正確には塩素と結びつき別のものに変わる為)

しかし、扱い方を誤るとせっかくの鉄瓶も台無しになってしまいます。
鉄瓶の内側はすぐに錆びます。とくにお湯を沸かして冷めていく過程が一番錆びやすいのです。一度水を入れたまま長時間放置してしまうと一気に錆びるそうです。

そうならないために、鉄瓶はお湯を沸かしたら別のポットに全て移して下さい。そうすると余熱で水気はみるみる飛んですぐに乾きます。
ですがそうしてもいつか鉄瓶は必ず錆びます。しかし、錆るのが普通で、とくに人体には害はないそうです。
錆を嫌うのは現代人の悪い癖だと職人は言います。

ですが、やはり錆を嫌う人もいる訳で、そんな人のために内側がホーロー加工されたものもあります。

DSC_3945.jpg
DSC_3948.jpg
上が内側が無塗装のもの。下はホーローのもの。

ホーローのものは鉄本来の効果はほとんどありません。ただ重いだけのヤカンになってしまいます。
中には内側を漆で錆び止めしてあるものもありますが、やはり鉄の効果が欲しい人は無塗装のものがいいでしょう。(追記10/10:職人さんにお尋ねしたところ漆による防錆加工のものでも鉄の効果は得られるとのこと。)

鉄瓶は内側は決して触ってはいけません。たわしでごしごししてもいけません。(鉄鍋などはOK)
触ったり擦ったりしたところから錆びてきます。汚れが気になったら使う前にさっと水洗いで十分です。

お手入れについては以下を参照。
DSC_39392.jpg


さて、鉄瓶についてたらたら述べてきましたが、肝心のお値段。
3,000円台から何十万円も幅がありますが、ちゃんとした南部鉄瓶が欲しかったら3万~5万円を用意して下さい。店によっては1~2人用の小さなものが1万円前後で手に入るかもしれません。

高い!と思われるかもしれませんが、製造工程を考えれば納得の値段。一回買ったものは修理してもらえる上、これからの職人さんとの長い付き合いへの投資だと思えばこんなもんではないでしょうか。

もちろん学生の自分にはそんなお金出せませんけど。
でも1~2人用の小さいの欲しいなぁ・・・。

DSC_3938.jpg
DSC_3987.jpg

ベーシックな形にとどまらず、いろいろな種類があります。
無骨な角張ったものから丸みを帯びたものまで。盛岡手作り村にきて、自分に合った鉄瓶、職人を選んで、鉄瓶ライフをスタートしてみてはいかがでしょうか。
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[ 2010/10/10 01:13 ] 南部鉄器 | TB(0) | CM(0)
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プロフィール

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Author:shoji
名古屋の学生です。
今年度は日本の伝統産業を巡る旅に出てます。
旅先で見たこと体験したことを日々綴っていきます。

※すでに旅は終了しています。

mail:cus-show at hotmail.co.jp



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