shojiの伝統産業を巡る旅

名古屋の学生、shojiが各地の伝統産業を徘徊してます。

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「時代」にあわせて②

「時代」にあわせて①からの続き。

「時代」にあわせるということは、誰にあわせるということなのでしょうか。

DSC_4113.jpg

南部鉄器を例にとって考えます。

伝統的な南部鉄瓶の特徴といえば、このように屋根が被さっているようなフォルムです。
写真のように下に広がっているもの、上にぷっくりと張りだしているもの、タイプは違うのですが、どちらも捨て難くかっこいいです。
以前も触れましたが、鉄瓶はとても錆びやすいものです。ですが錆びたからといって汚いものではありませんし、きちんと使えば、錆だらけになることもありません。

そのことを知らない人が鉄瓶を錆びらせ、「鉄瓶は手入れが難しい」となってしまったのは残念なことです。
かといって、ホーロー加工すれば錆びることはありませんが、鉄瓶本来の良さは無くなってしまいます。

このへんは前回記事にも触れたように、お客さんとのコミュニケーションが大事になってきます。
いかに知ってもらうか、知りたいと思わせるか。
小規模の工房ならば顧客はある程度把握できるはずですから、一層力を入れてほしい部分です。


今回は生活様式に合わせたという鉄瓶について取り上げたいと思います。

DSC_4109.jpg

こちらの一風変わった鉄瓶は、南部鉄器工房「薫山」のユニバーサルデザインシリーズです。
ユニバーサルデザインと言っても、「誰でも使いやすいように」と思い製作し、あとから付けたと本人は言います。

蓋を持ったとき熱くないように木のつまみを付け、IHが反応するように底を広く(反応する為には10数センチ必要)し、重心も計算し、注ぎやすくしたそうです。写真下部にうつるL字型の取っ手も握りやすさから。

デザインからの視点で見れば、優れた鉄瓶となるでしょう。

しかし、こういった鉄瓶が南部鉄器の主流になってしまったら、ちょっと寂しい気持ちにもなります。
DSC_4113.jpg
IHの規格の為に、底を広げて熱効率をよくするのは正しい、けど上の写真のように底がキュッとなっているもの南部鉄器らしくて好きです。取っ手だって、このままで十分に使いやすいし、なにより胴体と取っ手のバランスが素晴らしい。蓋だって熱くなるの知ってるから布巾を当てるなりすればいい。

こういった意見は「主観的だ」と言って祖末にされがちですが、実は一番大事なところなんじゃないでしょうか。
南部鉄器のことが好き、この形が好き、そういう方々によって支えられているのが伝統産業なのだと思います。


長くなりましたが、「時代」にあわせて①、②をまとめます。
確かに、世間のニーズに合わせたモノづくりは大事です。ですが、多様化したニーズに一つの物で応えようとするのはもはや不可能です。ましてや大量生産できないものならなおさら。

いま伝統産業がやるべきことは、そうした多様化したニーズの最大公約数を見つけることではなくて、その伝統産業を気に入ってくれた人のニーズはなんだろうか、さらには、この伝統の良さを気に入ってもらうにはどうしたらいいかということだと思います。
こうして初めて伝統は「受け継がれる」のだと思います。

そしてその為には、いくら物に向き合っていても仕方ありません。
物を通して、人を思うこと。コミュニケーションしかありません。

「時代」にあわせて、ではなく「人」にあわせる。
これが素直な在り方だと思います。
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[ 2010/10/13 19:08 ] 伝統産業について | TB(0) | CM(1)
No title
こんばんは。

コメントの返事、ありがとうございます。

その内容といい、今回の内容といい
熱く深いメッセージ、いろいろ考えさせられます。

shojiさんの想いが関係者の方々のこころに
どのように届くか、関心のあるところです。
[ 2010/10/13 22:10 ] [ 編集 ]
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プロフィール

shoji

Author:shoji
名古屋の学生です。
今年度は日本の伝統産業を巡る旅に出てます。
旅先で見たこと体験したことを日々綴っていきます。

※すでに旅は終了しています。

mail:cus-show at hotmail.co.jp



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