shojiの伝統産業を巡る旅

名古屋の学生、shojiが各地の伝統産業を徘徊してます。

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土佐和紙、手漉き和紙の現状

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高知県、伊野町を流れる仁淀川

三大和紙(土佐和紙、越前和紙、美濃和紙)のひとつである土佐和紙。その期限は古く、奈良時代にまで遡ります。

仁淀川の清流と良質な楮(こうぞ)に恵まれた高知県の伊野町は紙の町として栄え、町の至る所で和紙が漉かれました。
良質な原材料、道具をつくる職人、紙漉職人が揃う、土佐和紙の現状を高知県手漉き和紙協同組合さんや地元の職人さんにお尋ねしました。

土佐和紙は、かつては100を越す手漉き業者がいたそうですが、和紙の需要の低迷とともに激減し、今では機械漉き業者が中心で、まともに稼働している手漉き業者は数件だそうです。

土佐和紙の中で有名なのが「典具帖紙(てんぐちょうし)」と呼ばれる紙で、薄いうえにしなやかで破れにくく「かげろうの羽」と称されました。タイプライター全盛の頃は、この典具帖紙が国内外で大変重宝されました。

しかし、その典具帖紙の伝統的な手漉き工法を50年あまり一人で伝えてきた人間国宝・濱田幸雄さんもほぼ引退の身で、今ではお孫さんが一人、手漉き工法を継承しているのみです。

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人間国宝・濱田幸雄さん。今はほとんど紙を漉いていない。

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土佐典具帖紙を継承する濱田洋直さん。

機械漉きの典具帖紙は今でも盛んに漉かれています。
主に用途は美術品の修復、補強で、金閣寺の天井の修復にも用いられたそうです。

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機械で漉かれた1平米3gの和紙。手漉きでつくるのは困難。


そして和紙づくりの道具、薬品、原材料を供給する原料屋さんも数少なくなりました。
手漉き和紙の必需品「簀桁」をつくる職人は高知県で2名のみだそうです。そしてお一人のほうは高齢となり、道具づくりも後継者の問題を抱えています。

材料となる楮、三椏、雁皮も一時期、和紙の需要が盛んだった頃には枯渇が危ぶまれたこともあったそうですが、今ではその問題は大丈夫とのこと。
しかし、豊富な原材料を持ちながら、地域ぐるみで支えられてきた収穫作業も人手不足となり、国産よりも格安なタイ産楮などの輸入材が原材料の大半を占めるようになったそうです。(フィリピン雁皮、パラグアイ楮などもあります。)

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薬品で煮て白くなったタイ産楮。国産楮より油分が多く、繊維が短い。

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薬品で煮る前の茶色の国産楮。


かつては職人たちが団結し、手弁当で海外に実演に出向いた時代もあったそうですが、そうした取り組みは組合の予算縮小、補助金カットの影響もあり、15年ほど前のベルギー遠征を最後に行われていないそうです。今でも、海外からの実演の依頼が来るそうですが、途中で資金問題から頓挫するケースが多いとか。
販路拡大、後継者育成事業など、様々な事業が存在しましたが、今は予算も無く再開の目処もないそうです。

「高知県には大きな企業もないし、貧乏な県だよ」
と地元の人が口癖のように言うように、他の産地より県からの補助は見込みが薄いのが現状のようです。


家内工業が主体であった手漉き和紙業界は、その多くが後継者がおらず、また新しく人を雇う余裕が無いという中で廃業が相次いでおり、その流れは深刻のようです。
世界的に注目を集める和紙ですが、実際、需要に繋がっているのは稀で、未だに売り上げは低迷しているもよう。
手漉き和紙は、ちぎり絵、工芸紙、美術用紙など、根強い支持を得ていますが、それでも市場としては小さいものです。機械漉きよりもかなり高額になるうえ、生産能力も乏しい。


手漉き職人が桁を揺すって和紙を漉く光景はよくテレビなどで目にしますが、なかなかその現象は厳しいもののようです。しかし、この手漉きが基盤となって機械漉きがあるのも事実。
高知県の田舎、伊野町が抱える問題はとても難しいもののようです。
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[ 2010/11/19 12:01 ] 土佐和紙 | TB(0) | CM(0)
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プロフィール

shoji

Author:shoji
名古屋の学生です。
今年度は日本の伝統産業を巡る旅に出てます。
旅先で見たこと体験したことを日々綴っていきます。

※すでに旅は終了しています。

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