shojiの伝統産業を巡る旅

名古屋の学生、shojiが各地の伝統産業を徘徊してます。

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土佐典具帖紙、人間国宝・濱田幸雄さん

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土佐和紙人間国宝、濱田幸雄さんにお会いしてきました。

濱田幸雄さんは、50年以上、手漉き土佐典具帖紙を守り続け、平成13年に人間国宝に認定された方です。

「自分は人間国宝だからって、偉ぶったり気難しくするのが嫌。」
と仰るように、気さくで温和な方で、話していると人間国宝ということを忘れてしまうほどです。

親身になって土佐和紙のこと、ご自身のことを教えて下さったので、すこしずつ紹介していきたいと思います。


まず、典具帖紙とはどんな紙か。
「かげろうの羽」と称されるほど、薄くて軽く、また柔らかく揉んでも破れない特徴です。
かつてはタイプライター用紙として海外に多く輸出され、いたるところで典具帖紙が漉かれました。

しかし、機械漉きの登場から数多くいた手漉き業者は激減し、昭和48年には濱田幸雄さんが手漉き典具帖紙のただ一人の職人となってしまいました。

今は高齢から濱田幸雄さんも紙漉の現場から退き、お孫さんが後を継いでらっしゃいます。

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写真は典具帖紙の中でも薄口なもので、厚さは0.03ミリ。
楮の繊維が一本一本見て取れます。

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土佐典具帖紙を後継する濱田洋直さん。

濱田幸雄さんは、後継者育成に尽力され、今では全国に教え子がいます。
紙のことにはとりわけ厳しく教えてきたそうです。
しかし一歩紙から離れればとても温和なおじさん。
厳しいのも自身がそうであったから。教え子を思う気持ちからなのでしょう。


今回は、和紙の原料の仕込みを中心に紹介します。

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ここは濱田家自宅から離れたところにある原料を仕込む場所。

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原料となる楮を水に晒しているところです。
かつては仁淀川の流水で晒していたそうですが、かつての大洪水、ダムの建設により仁淀川も一変してしまったそうで、今ではその光景は見られません。

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使われる楮は国産のもの。
いまでは輸入のタイ楮などが主流ですが、国産の楮は繊維が長く、しなやかな紙ができるそうです。
写真は灰煮する前の楮です。
(灰煮とはアルカリ性の薬品で楮などを煮込み、繊維から不純物を取り除く工程)

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晒した楮の繊維をほぐす、「叩解(こうかい)」という作業をしている様子。
昔は手打ちで叩解したそうです。気の遠くなる作業ですね。

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「こぶり」という作業に使われる大きな篭。
叩解した繊維を、この篭にいれて、流水の中で揺すりながら繊維をほぐし、アクを洗い流していきます。
とくにこのアク取りが典具帖紙の決め手で、徹底してアクや不純物を取り除き、繊維のみを残すことで軽くて薄い典具帖紙が生まれます。

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いまでは「ビーター」と呼ばれる回転爪のついた機械で繊維をほぐすのが一般的ですが、濱田さんいわく典具帖紙には楮の長い繊維が必要で、ビーターを用いるとそれらが切れてしまうとのこと。

なので、昔ながらの篭を使った方法にこだわるのだそうです。

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そして茶色だった楮たちも最終的にはこのように真っ白になります。
これを水に溶かして、必要に応じてトロロアオイから抽出したネリを加え、白濁した紙料液が出来上がります。

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そして舟に紙料液を溜め、簀桁を用いて漉いていきます。

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こうして出来る土佐典具帖紙。
主な用途は薄くて丈夫なことから美術品などの修復に。こうした色の付けられたものはちぎり絵などに使われます。
他には版画などにも用いられます。

ちなみに、手漉きの典具帖紙は「土佐典具帖紙」、機械漉きの典具帖紙は単に「典具帖紙」と表記されます。
手漉きと機械漉きの違いは、ソフト感では手漉き、均一な品質は機械漉きといったところです。
一般的に手漉きにできるのは厚さ0.03ミリまでと言われます。機械漉きではより薄い0.02ミリの和紙を作ることが可能です。

「濱田さんには全国2万人のファンがいますよ!」とちぎり絵の愛好家からは濱田さんの典具帖紙は大きな支持を得ているそうです。

しかし、それでも典具帖紙自体の需要は決して大きいものではなく、先行きは安泰ではありません。
目立たないですが手漉きには機械漉きにない魅力もたくさんあります。そうしたところを今後さらに発信してお客さんに知ってもらわなくてはいけませんね。

年々全国で手漉き業者は減っていく中で、土佐和紙はとくに問題が色濃い産地です。
もう濱田幸雄さんは紙を漉くことは難しく、産地の高齢化はどんどん進んでおり、休業が相次いでいます。

最低限の設備で持続的なものづくりを可能とする伝統的な手仕事。その中で体得される作り手の知恵と眼。
作る現場をみて一層強く考えさせられました。
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[ 2010/11/23 14:01 ] 土佐和紙 | TB(0) | CM(0)
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プロフィール

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Author:shoji
名古屋の学生です。
今年度は日本の伝統産業を巡る旅に出てます。
旅先で見たこと体験したことを日々綴っていきます。

※すでに旅は終了しています。

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