shojiの伝統産業を巡る旅

名古屋の学生、shojiが各地の伝統産業を徘徊してます。

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土佐和紙、塩田留五郎商店①

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先日、和紙の原料屋、塩田留五郎商店へ行ってきました。

塩田留五郎商店は明治5年創業、いまは4代目、塩田哲夫さんと息子さんの塩田英夫さんで経営しています。

かつては産地に数多くあった原料屋ですが、和紙の需要の衰退ととに減少し、塩田留五郎商店のある高岡町地区では同店が最後の一軒となりました。

4代目、塩田哲夫さんにお話を伺いました。


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これは「6分へぐり」のカジ。
「カジ」というのは楮の別名です。

和紙に使われるのは、楮の皮の部分。
6分へぐりというのは名前の通り、皮の外皮を全て削り取るのではなく、少し残して削られたものです。
小刀を用いて外皮を削る作業を「へぐる」といいます。

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こうしたへぐりの工程を経ていないものを「黒カジ」と呼びます。

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これは典具帖紙に使われるカジ。
見ての通り外皮の部分が全て削り取られています。
先ほどの「6分へぐり」のものとへぐり方が違い、6分へぐりのものを更にへぐっても、これにはならないそうです。
これはまだ未精製のものでこのままでは使えず、精製後はもっと白くなるそうです。
しかしこれでも2級品だそうで、材料の状態によってランク分けがされています。

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こちらは「本晒し」の典具帖紙用カジ。
「本晒し」とは、薬品を使わず谷川の清流で晒したもの。
真っ白になる上に、繊維を傷めずとても良い材料ができるそうです。

かつては百姓の農閑期の収入源として、収穫、皮剥ぎ、へぐり、川晒しはいたるところで行われていました。
しかし、かつて川晒しをしていた川も、今では家庭排水、工業排水が流れ、そうした川で晒すとかえって色がくすんでしまいます。
川晒しができる川も、山間部の清水に限られ、またその作業を担っているのが70歳後半~80歳代の方たちで、年々担い手が減ってきています。

楮が紙の原料となるまでの作業は、農閑期、地元の百姓によって支えられてきました。
楮もただ植えておけば良いわけではなく、楮の生長を促すため新芽をとる「芽欠き」、下草刈りなどの絶え間ない管理が必要で、更に良い材料が採れるのは樹齢4、5年~30数年あたりまで。良質な高知県の楮の株もだんだんと古くなり、また楮を管理する人が減り、品質が年々落ちてきているそうです。

良い紙をつくるためには、絶えず原料となる楮、三椏を管理していかなくてはなりません。
原料になるまでの作業は重労働で、担い手が高齢となり年々減少してきています。
今では高知県産楮の生産量も20t。それはピークの20分の1にあたります。

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そんな中で、原料屋もいまやグローバル化せざるを得なくなりました。
現状では土佐和紙の原料の大半は輸入、主にタイ産楮です。かねてから国産楮の方が輸入ものより品質が良いと言われてきましたが、その常識も徐々に覆ってきているようです。

写真は南米産楮。
高知県から現地へ出向いて指導し、最初は品質は悪かったそうですが試行錯誤の末、今では国産楮よりも良質な材料が手に入るようになったそうです。
楮の管理も徹底し、芽欠き作業は年に7、8回、へぐりなどの加工も現地で行い、働く人も若く精力的だそうです。

値段も国産楮の半値以下。高品質低価格、そして円高ともなれば今後ますます輸入が伸びてくるでしょう。

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その南米産楮を使って漉かれた紙。漉きやすいようにパルプが10%混ぜられています。
光沢感があり、感触も滑らか。「非常に良い紙」と塩田さんもおっしゃいます。
高級なお茶室の障子紙として注文があったそうで、高級品として今後さらに出回ることでしょう。

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「今は世界情勢も見よらんと。グローバルにやってかんといかん。」

御年78歳の塩田哲夫さん。その口からグローバルの言葉が出ることに和紙業界の必死さが伝わってきます。

「重労働。若い人が興味を持たん。」
とされる楮の管理、収穫、加工の作業。国産楮を管理する人が高齢化し、国産楮はますます下火になっていく中、海外では精力的で比較的若い方々が働き、輸入楮は年々品質が向上してきています。

いつまでも国産が一番。と言えなくなるのも、このままでは時間の問題です。
それでも「やっぱり国産。」となるような価値基準を設けない限り、国産は太刀打ちできなくなりそうです。

に続きます。
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[ 2010/11/28 13:28 ] 土佐和紙 | TB(0) | CM(0)
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プロフィール

shoji

Author:shoji
名古屋の学生です。
今年度は日本の伝統産業を巡る旅に出てます。
旅先で見たこと体験したことを日々綴っていきます。

※すでに旅は終了しています。

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