shojiの伝統産業を巡る旅

名古屋の学生、shojiが各地の伝統産業を徘徊してます。

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土佐和紙、塩田留五郎商店②

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和紙の原料屋、塩田留五郎商店には世界各国から様々な材料が集まります。

写真は本晒しの典具帖紙用の楮(カジ)

このような国産の良質な材料はなかなか手に入りにくく、現在では材料の大半を輸入に頼らざるを得なくなりました。
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①で紹介した南米産楮。
現状では一般的な国産楮より高品質低価格、光沢があり滑らかな紙に仕上がります。

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こちらはタイ産楮。土佐和紙に使われる楮の大半はタイ産楮といわれています。
国産楮より繊維が短く、質は劣るそうですが価格は半値程と聞いたことがあります。
紙として光沢感に欠けるそうですが、色をつけた場合はなんら問題はないそうです。

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中国産三椏。
へぐりなどの加工も中国でするそうです。
三椏は楮よりも繊維が短く、平滑な紙が出来ることから、書道用紙などに用いられます。

「国内産の書道系はほぼ全滅。高知県、愛媛、鳥取、山梨、このあたりが書道関係。全部潰れてもうた。」

紙漉は中国が本場とされ、国産の書道用和紙は安くて高品質な輸入ものに押されて壊滅状態。そもそも、日本の近代的な書道用和紙の歴史は浅く、はじまりは昭和40年頃なのだそうです。

和紙の原料である雁皮は高知県ではあまり多くは産出されず、高知県で扱う国内産の多くは瀬戸内海周辺、香川県、岡山県で採れるもの、海外からはフィリピン産の雁皮が入ってきています。
雁皮は栽培が出来ないものとされ、高級な材料です。独特の光沢があり、薄くても丈夫な紙がつくられます。
主に用途は版画用で、国産雁皮の方が紙に光沢が出て品質は良いとされます。フィリピン雁皮は書道系統の紙に混ぜたりして使うそうです。

国内産とフィリピン産の雁皮を混ぜることは?とお聞きしましたら、
「混ぜると必ずよーない方(フィリピン産)に引っ張られる。もったいのうてやらん。」
やはり同じ雁皮だからといって安易に混ぜることは良くないのだそうです。

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様々な産地からたくさんの材料が塩田留五郎商店には山積みにされています。
そんな中でも最高級品とされるのが、国内産の「雪晒し」した楮だそうです。

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「雪晒し」というのは、へぐった楮を雪に埋め、自然の作用で漂白したものです。
紫外線と雪解けの水蒸気が化学反応でオゾンを発生させ漂白する、といった原理らしいです。

この「雪晒し」は岐阜県の方で作られたものだそうです。
「雪晒しは繊維がむくむくとして、えぇ紙が出来る。高知県のカジは追いつかん。最高級品。」
塩田さんが「むくむく」と表現する、繊維に綿のような弾力、もちもちとした感触は、触ってみるとまさに「むくむく」。

通常、晒し(漂白)の工程には、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウムなどが使われます。こうした薬品による晒しでは、真っ白になる代わりに繊維が傷んでしまう傾向があります。
「雪晒し」のものは真っ白になるうえに、繊維が傷まず、「むくむく」と生きた繊維になるのです。

この最高級の雪晒しの紙は、国宝級の美術品の修復などに使われます。

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塩田さんのもとには「こういう紙が漉きたいんだけど」と相談が寄せられるそうです。
「こちらは絶えず勉強。常に製紙会社を回り、紙産業技術センター(いの町内)とも絶えずコンタクトをとっている。」
こうした人の支えでいまの和紙があるんだな、と感じます。
そして原料屋には代々、そうしたノウハウが蓄積されてきたのだなと思うと、いくら知識や技術があっても一朝一夕では原料屋は務まらないことが窺えますね。

に続きます。
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[ 2010/11/30 09:52 ] 土佐和紙 | TB(0) | CM(0)
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プロフィール

shoji

Author:shoji
名古屋の学生です。
今年度は日本の伝統産業を巡る旅に出てます。
旅先で見たこと体験したことを日々綴っていきます。

※すでに旅は終了しています。

mail:cus-show at hotmail.co.jp



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