shojiの伝統産業を巡る旅

名古屋の学生、shojiが各地の伝統産業を徘徊してます。

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高知麻紙、尾崎金俊製紙所①

DSC_4470.jpg

高知県、いの町加田に工場を構える尾崎金俊さんのお話を伺いました。

尾崎金俊さんが代表を務める、尾崎金俊製紙所が製造する独自の日本画用の麻紙には定評があり、全国から注文がきます。

麻の繊維は、楮、三椏、雁皮と同じようには漉けません。
尾崎金俊さんは研究を重ね、独自に編み出した製法で麻紙を完成させました。
DSC_4503.jpg

DSC_4504.jpg


尾崎金俊製紙所がつくる「高知麻紙」はこんな紙。
表面の感じは写真では伝わりませんが、裏面はこのとおり。ふわふわした肌が特徴的です。
しかもこれは表裏は同一素材。特殊な紙であることがわかります。

日本画用紙としてもネット上の評判も良く、しかもリーズナブルという優秀な紙、だそうです。

尾崎金俊さんにこのような麻紙をつくるようになった経緯を土佐和紙の変遷に絡めて、簡単に説明していただきました(以下説明のまとめ。)


土佐和紙は典具帖紙で栄えた産地です。
典具帖紙とは薄くて破れず「かげろうの羽」と例えられた紙で、輸出専門のタイプライター原紙として大量に生産されました。
しかし、戦争になると輸出は止まり、再開されても海外の製紙技術も向上し、安い洋紙の登場で典具帖紙の需要は激減。それ以降、主に障子紙、書道紙などを生産してきましたが、これも機械漉き、安価な輸入品に押され下火になっていきます。

今では版画用和紙は当たり前のように高知県でも売られていますが、版画用和紙が高知県に入ってきたのは昭和40年頃。東京芸大の先生が高知県に来たときに版画用和紙を紹介したことが始まりだそうです。
そのときは高知県に版画用和紙はなく、皆「どんな紙でぇ?」といった具合。

それから尾崎さんも、雁皮を使った版画用和紙を手掛け、名が知れるようになったとき、今度は「日本画やってみんか?」と持ちかけられました。当時は一社が日本画用紙を独占しており、より質の高いものが欲しいと尾崎さんのもとへ声がかかったそうです。

とはいえ、原料に使われる麻の知識は全くなく、「これがまためんどくさくて。」と尾崎さんも相当困ったようでした。そもそも麻の栽培には許可が必要で、どこに行けば手に入るかもわからない。当時高知市にあった紙業試験場も麻を扱ったことがなくお手上げ。

そんな時、版画用紙で名の知れていた尾崎さんのもとへ栃木県から版画作家が訪ねてきたとき、その方から麻を栽培しているところを紹介してもらえ、そこから麻の切れ端を送ってもらいました。

しかしここからが苦難。紙を漉こうと思ったら「それがまた、難しいのよぉ。」と様々な問題が立ちふさがりました。
麻の繊維は長く、強靭でいくら薬品で煮ても柔らかくなりませんでした。
「あぁなんという・・・これは困ったもんじゃ。」

それから尾崎さんは文献をあさり、麻紙を研究し始めました。麻紙は奈良~平安時代に実在が確認されており、今も正倉院に貯蔵されています。それから麻紙のルーツ、中国の文献も読み、麻の繊維は短く切っていく必要があることを掴みました。

切った繊維を水に浸け、発酵させ柔らかくし、さらに杵で突き・・・研究の末、ようやく試し漉きにこぎ着けたそうです。

コンポ 1 (0;00;12;29) のコピー

紙に書いて説明して下さる尾崎さん。
楮の繊維を(――)三椏を()雁皮を(–)と表現しているのに対し、麻は(~~)と表現されています。

~~とうねった繊維を紙にするのは難しく、昔の製法ではうねりの一つ一つを裁断して臼と杵で叩き、毛羽立たせて漉いており、とてもきれいな紙が仕上がるそうです。
しかし、現代日本でそれをやってはコスト高になってしまい売り物になりません。そこで尾崎さんは~~とうねった繊維の隙間に目詰めとして楮を混ぜることを考案します。(こうしないと厚い紙が漉けません。)

そこから、漉き方にも工夫を重ね、独自の機械をつくり、3×4mの大きな紙がどんどん出来上がっていきます。
工場内は撮影NGなため、どのように作られているかはお見せできませんが、どの工場でも見たことないような機械で、おそらく全国でもここだけのモノでした。そして、手漉きをやっていた人でなくては考案できないものであると思います。

に続きます



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[ 2010/12/05 01:04 ] 土佐和紙 | TB(0) | CM(1)
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[ 2013/06/12 14:10 ] [ 編集 ]
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Author:shoji
名古屋の学生です。
今年度は日本の伝統産業を巡る旅に出てます。
旅先で見たこと体験したことを日々綴っていきます。

※すでに旅は終了しています。

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