shojiの伝統産業を巡る旅

名古屋の学生、shojiが各地の伝統産業を徘徊してます。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

[タグ未指定]
[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

手漉きと機械漉きの違い

DSC_4681

和紙には手漉き、機械漉きと分かれます。

和紙といったら手漉き!手漉きが一番!っていう人。
手漉きも機械漉きも変わんないじゃん、安いほうでいいよっていう人。
機械漉きのほうが均一で使いやすいって人。

いろんな意見があるかと思いますが、自分なりに手漉きと機械漉きの違いを思いつく限り挙げてみました。

手漉き
簀桁を振る「流し漉き」によるもの。一枚一枚手作業で漉いていきます。

特徴
・繊維が複雑に絡まり、丈夫な紙ができる。
・簀桁で数回、すくって漉かれるため、幾層にも繊維が絡まっている。
・繊維の方向がよりランダムで、しなやかに曲がる。
・水の流れに沿って繊維の方向が繋がっている。
・古来と同様の和紙が必要な場合(文化財の修復、補強)は、手漉きの和紙が好まれる。
・ちぎり絵など、繊維の毛羽立ちが重要な場合は手漉きのものが好まれる。
・品質にムラができやすい。
・不純物などの跡が残りやすい。
・簀桁の跡がつく。
・乾燥で板に刷毛でならしながら貼付けるため、刷毛の跡が残る。
・大きさに制限がある。
・必然的に一人が多くの工程をこなす。
・生産に時間がかかる。
・価格が高くなる。
・少数生産のものに対応しやすい。


機械漉き
ベルトコンベア式で「溜め漉き」の要領で漉かれる。漉かれた紙は同ライン上で乾燥され、ロール状に巻き取られる。

特徴
・ベルトコンベアが流れる方向に繊維の方向が偏る傾向がある(強度は縦は強く、横は弱い。)
・手漉きが幾層もの積層に対し、機械漉きでは一層。紙力増強剤などで強度を増しているものもある。
・手漉きと比べると曲げるとシワができやすい。
・溜め漉き(機械漉きの方法)は繊維の絡みが流し漉き(手漉きの方法)より弱い、とされている。
・手漉きよりも薄い紙が漉ける(現時点で最薄は2g/㎡)
・大量の紙が必要な場合(大掛かりな文化財の補強、修復)、品質が均一な機械漉きが好まれる。
・品質が均一。
・ロール状なので長さは無制限。
・長い繊維は絡まってダマになりやすいので使えない。
・工場形態となり、作業は分担性になる。
・組織的な製品開発ができる。
・手漉きよりもかなり早く和紙を生産できる。
・手漉きよりも価格を抑えられる。
・書道紙、障子紙など、大量生産に向く。
・時間をかけて漉くタイプの装置では、かなり高品質な紙ができる。


こんなところでしょうか。

でも実際、一般の人が使う限り、手漉きも機械漉きもそんなに大差はありません。

機械漉きだからお手軽簡単♪というわけでは決してなく、機械の微妙な調整のもと、絶妙なバランスを保たなくてはならず、ちりとりだって機械漉きも手作業でやってるし、漉く工程以外は手漉きとなんら変わりません。

紙漉にいたるまで
収穫蒸し皮剥ぎへぐり→煮熟→晒し→ちりとり打解叩解→紙漉

紙を漉くのは和紙ができる工程の中のほんの一瞬のことです。

にょきにょき生える楮、そこから白い紙ができるという奇跡。

和紙の魅力は紙漉までの前段階にあるように思います。

以下、和紙の写真を並べていきます。

DSC_4684
DSC_4683
DSC_4685
DSC_4686

上二つは機械漉きで、下二つが手漉き、一番下は以前紹介した尾崎家の清帳紙です。

正直、機械漉き、手漉きと言われなかったらわからないですよね。

もちろん書道家や日本画、表具など、「この紙じゃなきゃダメだ」という人にとっては大きな違いなんでしょうが、一般の人にとってはそこまで大きな差ではありません。

ただ、知ってほしいのは、楮の枝が生えて、人の手を介し、紙になる。そして翌年また楮の枝が生え・・・という自然の循環に即した紙づくりだということ。

個人的には和紙の表情、丈夫、長持ちといった目に見える部分よりも、紙の背景に広がる自然と人、目に見えない部分にもっと興味を持ってもらいたいなと思います。
スポンサーサイト

[タグ未指定]
[ 2010/12/24 01:51 ] 土佐和紙 | TB(0) | CM(0)
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
プロフィール

shoji

Author:shoji
名古屋の学生です。
今年度は日本の伝統産業を巡る旅に出てます。
旅先で見たこと体験したことを日々綴っていきます。

※すでに旅は終了しています。

mail:cus-show at hotmail.co.jp



    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。