shojiの伝統産業を巡る旅

名古屋の学生、shojiが各地の伝統産業を徘徊してます。

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喜如嘉の芭蕉布の現状②

の続きです。

原材料となる糸芭蕉は全て地元産。機械化はせずに昔ながらの伝統的な工法を守り続けています。産業の中に「伝統を絶やさない」という一つの柱が確立しています。

その柱をつくってきたのは、喜如嘉の芭蕉布にとって語らずにはいられない人間国宝・平良敏子さんのリーダーシップ。喜如嘉の芭蕉布の歴史は平良敏子さんの奮闘の歴史とも言える程、最重要人物です。
御年90歳でもいまだ現役。平良敏子さんとは直接お話ししたことはないので、詳しくはインターネットや著書などで調べてください。
「なぜ効率や採算性を度外視してまで伝統的なやり方でつくっているのですか?」
協同組合の理事長に伺ったところ、
「技術が途絶えてしまうし、人が育たなくなるから。」
という回答をいただきました。
正直、この言葉を聞きたいがために吹っ掛けた質問でした。

協同組合が運営している10名程(定かではない)の工房をみていると、「工場」というより「軍団」という印象を受けました。そこまで指導体形が出来ているからこそ、いまも喜如嘉には芭蕉布が残っているのですね。

染料となる琉球藍、福木、車輪梅も地元のものを使っています。ただ赤色を出す茜だけはインド茜を使っています。「赤という色はとてもパワーのある色。地元のものの赤は弱い。」ということでより鮮明なインド茜を選んだそうです。

こうして地元志向、伝統を繋いでいこうという気概が実践されているのは大変素晴らしいことだと思います。高機(いわゆる椅子に座ってパタパタ織る一般的な手機織り機)でさえ「いざり機(高機が開発される以前の古来からの手法)でないことが心惜しい。」とその姿勢は徹底しています。
しかし、こうした非効率的な工程を守っていけるのも、産業全体の生産量が少ないということの裏返しであって、産業の発展を思うと手放しには喜べません。

しかし、伝統的な工法を守り、こうした努力のおかげで、自然の素材がもっているいい表情が引き出され、どこまでも正直で素朴な布が出来上がります。自然を支配するのではなく、自然と調和したものづくりと言えます。(写真がなくて申し訳ない!)伝統のままに、材料も地元のものにこだわっているからこそ、間違いなく「喜如嘉の芭蕉布」と誇れます。それが働いている人たちの原動力となっているのかもしれません。


さて、芭蕉布=素朴、素朴=庶民の布というイメージが持たれますが、一概にそうとは言えません。かつて徳川幕府に琉球から納めた数々の貢ぎ物の中に芭蕉布の記録があり、「庶民の布を納めていたのは珍しい」とある研究者が述べたのに対し、「それは違います。」と協同組合理事長は反論しています。
かつて琉球には木綿や絹がなく芭蕉布が一般的だったこともあり、王朝で使われるような衣類も芭蕉布でした。お抱えの職人たちが命をかけて納めた芭蕉布はそれはそれは膨大な手間と労力をかけ、繊細で優美な布だったそうです。それを知る理事長は「今ではそれだけのものはつくれない。いま私たちがつくっているものは昔の芭蕉布に申し訳ない。」とおっしゃいます。

かつて民芸運動の中心人物、柳宗悦氏を「いまどきこんなにうつくしいぬのはめったにないのです。(芭蕉布物語より)」言わしめた芭蕉布は、50年あまり経ったいまでも、自分の目にはそう映ります。しかし、こうした優れた織物も本土はもちろん地元の人でさえあまり目にしていません。生産者を見れば彼女らがPRに割ける時間が十分にないのは明らか。それでもお年寄りを集めてパソコンの勉強会、ホームページの作成、ブログもやっていこうという姿勢をみせています。

「工芸大国と言われた沖縄も、いまはITばかり。」と周辺のサポートはあまり充実していない様子。織物としても文化的にも貴重な芭蕉布。それを継承していくには作り手だけではなく周りのひとの支えが必要ですね。
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[ 2011/01/15 23:59 ] 沖縄 芭蕉布 | TB(0) | CM(0)
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プロフィール

shoji

Author:shoji
名古屋の学生です。
今年度は日本の伝統産業を巡る旅に出てます。
旅先で見たこと体験したことを日々綴っていきます。

※すでに旅は終了しています。

mail:cus-show at hotmail.co.jp



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