shojiの伝統産業を巡る旅

名古屋の学生、shojiが各地の伝統産業を徘徊してます。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

[タグ未指定]
[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

久米島紬の里、ユイマール館

DSC_5133.jpg
DSC_5136.jpg

久米島、真謝地区にある「久米島紬の里ユイマール館」に久米島紬の見学に行きました。

この日は天気もよく、着尺を乾かしているところを見ることが出来ました。
沖縄は1~2月に掛けて天気の悪い日が多く、天気のよい日は貴重です。

DSC_5141.jpg
DSC_5137.jpg

そしてこれは「きぬた打ち」という工程。
先ほどの自然乾燥した着尺を折り畳んで、専用の台に固定します。
「せっかく織った布を叩いちゃうの!?」って思われるかもしれませんが、布を叩いたり擦ったりして布目を滑らかにするのは織物では珍しいことではありません。喜如嘉の芭蕉布では湯のみ茶碗で擦ってましたね。

2人がかりで息を合わせてリズムよく布を叩いていきます。こうすることで繊維が平坦になり光沢が出ます。

DSC_5140.jpg
DSC_5138.jpg

「おねがいします。」の一言で始まる共同作業です。
木槌が斜めに入ったりすると後がついてしまい、数ヶ月の苦労が水の泡になってしまう責任重大な作業です。

「やってみる?」と冗談まじりで声をかけていただきましたが、とても素人が手を出せる作業ではありません。

さて、中に入ってユイマール館の展示販売場を見てみましょう。
DSC_5248.jpg
DSC_5253.jpg

久米島紬の特徴はなんといっても黒褐色の中に白く浮かび上がる絣。
写真は照明の影響で黄味がかってますが、きわめて黒に近い褐色です。この黒褐色は、グール(サルトリイバラ)とティカチ(車輪梅)を数十~百数十回も染め重ね、久米島の泥で鉄媒染(発色、色止めのようなもの)をすることで得られる、大変手間のかかるものです。

そして久米島紬の紬(つむぎ)といわれてもピンと来ない人も多いはず。
紬とは紡織りの略で、綿状になった蚕の繭を、撚りながらつくった糸で織ることを指します。それに対し、蚕がはいた糸を繭からそのまま引き出しながらつくられる糸を「生糸」といいます。
本来、紬は繊維も太く、節のあるような玉繭(自分の地元ではくず繭とよんでいたような)を紡いだ物で、本繭(きれいな楕円の繭)よりも劣るものとされてきたようです。いまでも着物の世界では手間のかかる紬でも他の正絹よりランクが下がるということもあるそうです。

DSC_5270.jpg

これは写真ですが、蚕です。
20年ぐらい前は自分の近所の農家も蚕飼ってたなぁ。
冬は蚕のシーズンではないので養蚕はお休みです。

DSC_5272.jpg
DSC_5271.jpg

蚕が繭をつくる集合住宅みたいなもの。
蚕が上へ上へと這っていく習性をいかし、一方に偏るとまぶしが回転し、均等に蚕が部屋へ行き渡るというもの。

そしてできた繭を煮て中の蛹を殺して繭だけを採取します。
絹糸は高値で取引される上、たくさんの命をいただいて得られるものですから、それはそれは大事にされてきました。

DSC_5269.jpg

そして繭を指で広げ、平坦にしたものを重ねていき、「真綿(まわた)」という状態にします。
これを唾で湿らしながら指で撚って紡いでいきます。

DSC_5268.jpg

かつては久米島でも数件、養蚕業者がいたそうですが、いまでは営んでいないそうです。それでも養蚕技術と糸紡ぎの技術保存のため組合で養蚕事業を行っており、産業としては自立していないものの今でも島で養蚕は行われています。

DSC_5200.jpg
DSC_5206.jpg

次に使う染料を紹介していきます。

DSC_5207.jpg

久米島紬の染色で用いられる主な植物たち。

DSC_5225.jpg
DSC_5226.jpg

これがグール(サルトリイバラ)です。
黒褐色にするにはまず1日4~5回、グールで染めては乾かしを10日ほど続けます。

DSC_5219.jpg

次にティカチ(車輪梅)で1日6~7回の染色を14日ほど続けた後、泥で鉄媒染をし発色、色止め、そして狙いの色になるまで、ティカチ染め、泥媒染を繰り返すことで深い黒褐色を出していきます。

DSC_5212.jpg

黄色はおもに福木(ふくぎ)を用います。
福木は風の強い沖縄ではメジャーな防風樹で、久米島ではいたるところに植えられています。

DSC_5216.jpg
DSC_5209.jpg

ユニークなものですと、ユウナ(オオハマボウ)は二通りの使い方があります。
そのままでは左の砂っぽい色をしていますが、燃やした灰を用いてグレーの染料として使うこともあります。ユウナ染めといったらこのグレーを指すことが多いです。

DSC_5240.jpg
DSC_5245.jpg
DSC_5243.jpg
DSC_5242.jpg

おもしろい染色として島の地方別に土を採取した泥染めです。
同じ土でもこんなに色が違う物なのですね。堅牢度(色の耐久性)は定かではありませんが、おもしろい色調だと思います。

DSC_5235.jpg
DSC_5294.jpg

久米島紬は絣で文様を表していきます。
絣とは写真のように糸を図案にあわせてビニールテープや木綿糸を用いてしっかりと括り、染料が入っていかないようにし、織っていく段階で図柄に合わせてずらしながら文様をつくっていく技法です。

そして久米島紬は何度も何度も染めを繰り返すことで、括った部分に僅かに染料が入り込み、絣がグラデーションになっていくのです。これによって暗闇のなかにぼぅっと光っているような絣となるのです。

DSC_5255.jpg
DSC_5254.jpg
DSC_5273.jpg

久米島紬と言えば黒褐色が有名ですが、それに限らず、色物も多くあります。
古くから色ものもたくさん織られていたのですが、いつからか黒褐色のものばかり織られるようになり、久米島紬=黒というイメージとなりました。
なので、昔も今も色物は数多く存在します。

ではいろいろな久米島紬を紹介します。
スポンサーサイト

[タグ未指定]
[ 2011/03/11 00:31 ] 久米島紬 | TB(0) | CM(0)
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
プロフィール

shoji

Author:shoji
名古屋の学生です。
今年度は日本の伝統産業を巡る旅に出てます。
旅先で見たこと体験したことを日々綴っていきます。

※すでに旅は終了しています。

mail:cus-show at hotmail.co.jp



    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。