shojiの伝統産業を巡る旅

名古屋の学生、shojiが各地の伝統産業を徘徊してます。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

[タグ未指定]
[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

久米島紬株式会社へ見学に行く

DSC_5292.jpg

久米島の入り口、兼城港から数百メートル、商店街を抜け小さな看板に従って登り坂になっている横道をいくと久米島紬株式会社が見えてきます。
観光パンフレットにも「見学OK」との記載があり、連絡して工場を見学させていただくことにしました。

何台も織機が並んでいますが、ここで働く従業員の方は4名。
実はかつてはここに島中の織り子が集まり、技術指導や生産の中心の場があったのですが、その後織物が下降線を辿るようになってここに通う人も減少、所有者も替わりながら現在に至るそうです。

DSC_5298.jpg
DSC_5299.jpg

これは仮筬通し(かりおさどおし)という工程。このとき筬(おさ)は経糸を巻き取る際に絡まないようにガイドとなるものです。絣にズレが出ないよう図案に合わせて調節しながら通していきます。詳しくはこちら
織りでは一般的な工程ですが、根気のいる細かな作業なのでここで挫折する人もちらほらいると聞きます。

DSC_5296.jpg
DSC_5297.jpg

ちなみにこの銀のような緑色は何で染めた物だろう?と思い訪ねたましたら、サトウキビなのだそう。サトウキビが染料として使われるようになったのはここ10年程のこと。媒染剤(色素を固着させる薬品)の発達によってあらゆる草木が染め物に用いられるようになりました。
サトウキビはそれほど濃い色が出ないので単体で濃い緑に染めることは難しいですが、沖縄の膨大なサトウキビ畑の量を考えればなんとか活用したいところ。
現に、沖縄本島、豊見城村では村おこしとして「ウージ染め」という名称でサトウキビの染めものを発信しています。

DSC_5295.jpg
DSC_5294.jpg

これは絣の「手括り」の様子。ビニールテープや紐でぐるぐる巻きにしたところが染まらず、むき出しの部分が染まります。
このように、絣とは糸に染まるところと染まらないところをつくり、それを経糸、緯糸で組み合わせながら模様を出していく物です。一般的に、織り機の構造上、経絣(たてがすり)は絣のズレの修正がめんどくさく手間がかかります。この辺の細かいことはまた今度。

DSC_5279.jpg

こちらは染め場。既に染められた糸たちが干されています。
基本的に自然乾燥で、雨の日は干せず作業がはかどらないためその日の天気で仕事は大きく左右されます。

DSC_5280.jpg
DSC_5281.jpg
DSC_5282.jpg

見事に黒く染め上げられています。
久米島紬はこの深い黒褐色が有名です。これまでに数十~百数十回も染めては乾かしを繰り返すため大変手間がかかる物です。
前も紹介しましたが、紬(つむぎ)とは綿状にふわふわとした繭の塊から繊維を紡いで作られたものを指します。なので生糸よりもふわふわとした太い糸となり、独特の風合いが出るのが特徴です。
今では島内での紡ぎ糸の自給率はかなり低いものとなってしまいましたが、昔より品質も均一で扱いやすく質の良い糸が手に入るようになったとのこと。

DSC_5287.jpg
DSC_5288.jpg

そして、久米島紬の黒褐色の鍵を握っているのが、この島でとれた泥です。
どの泥でも良いというわけではなく、鉄分を多く含んだ泥に限ります。島の人はどこの池の泥が使えるかを知っていて、泥の採取を生業としている人が汲みにいきます。またそれぞれで汲みに行くこともあり、場所もまちまち。

DSC_5290.jpg

グール(サルトリイバラ)とティカチ(車輪梅)で何回も染めた糸(写真奥の茶色の糸)に、この泥に浸すことで、手前のような黒褐色、ほぼ黒になります。

DSC_5285.jpg
DSC_5286.jpg

泥の中の鉄分が色素と結びつき、繊維に固着します(鉄媒染)。また、泥自体にも黒く染める効果があるんだとか。
好みの黒さになるまで泥、ティカチ染めを繰り返します。

DSC_5283.jpg
DSC_5289.jpg

糸いろいろ。
工場の周りには、月桃、ティカチ、福木など、染料に使われる植物たちが植えられています。

4名の従業員というのは手織物でいえばなかなか大きな部類に入ります。というのは手織物はなかなか収益性が低く従業員を雇う程の余裕がとれないのが普通だからです。基本的に国の伝統的工芸品に指定されている織物は、手織りであることが条件となっています。手織りで工場形態で、というのはなかなか沖縄ではレアなケースではないだろうか。

組合のユイマール館を除いて、ここが一番大きな工場となります。見学も随時受け付けているようですので、久米島に立寄の際は行くことをおすすめします。
スポンサーサイト

[タグ未指定]
[ 2011/03/21 01:32 ] 久米島紬 | TB(0) | CM(0)
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
プロフィール

shoji

Author:shoji
名古屋の学生です。
今年度は日本の伝統産業を巡る旅に出てます。
旅先で見たこと体験したことを日々綴っていきます。

※すでに旅は終了しています。

mail:cus-show at hotmail.co.jp



    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。