shojiの伝統産業を巡る旅

名古屋の学生、shojiが各地の伝統産業を徘徊してます。

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久米島紬の絣について

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久米島紬の絣は柄が豊富です。絣というのは布に後から絵をつける捺染(なっせん・プリント、友禅など)とは違い、糸の段階で色を染め分け、織りながら文様をつくっていく技法です。絣の起源はインドとされ、イカットの名で世界中に広がりました。沖縄に絣の技法が伝わったのは14世紀ごろとされ、久米島は琉球王国と大陸諸国の貿易の中継地であったため、他の島よりもいち早く絣が入ってきたと推測されます。

DSC_5276.jpg

絣は緯糸のみ、経糸のみ、経緯両方のものと分類できます。
織り機の構造上、経糸はロール状にしてセットされるのでそのままでは絣のズレを修正することが難しく、そのためひと手間加える必要があります。

DSC_5274.jpg

それがこの道具。
絣を施した経糸は無地の糸と別にして、この道具に括りつけておきます。そしてある程度織りが進んでいったら、経糸のロールから糸を出していくとともに、また道具から解いて絣の糸を図案通りになるよう、再び括りつけます。

・・・文章じゃなかなかイメージしにくいですね苦笑
要するに、経糸の絣をずれないように織っていくためには、こまめに調整していかなくてはいけないのです。
DSC_5277.jpg

他の産地はどうかわかりませんが、この道具は久米島でしか見ませんでした。ちなみにこの道具を用いず、無地の糸と一緒に巻き取ってしまう場合もあります。

一見、効率が悪いんじゃないか?と思われるこのひと手間も、
「昔からこうだから、私たちにはこれが一番。」
と、おっしゃいます。

DSC_5431.jpg

これはもっと簡略的な方法で絣の糸を固定しているものです。
このように図案に合わせて、解いては括ってを繰り返します。しかし、ここで糸を調節しても、手元に来る頃にはずれていることもあるので、ちょっとずつ張り具合などを調節していく必要があります。

DSC_5429.jpg

余談ですが、一般的に久米島紬は緯糸を紬糸、経糸を生糸の撚糸(要するに一般的な糸)を使います。紬糸は毛羽立ちやすいので絡まりやすく、扱いにくいため今ではあまり経糸に用いられません。経、緯ともに紬糸を使うものを「もろつむぎ」と呼んでいましたが、今は多くは生産されません。写真はたまたま織り機に掛かっていた紬糸の経糸。

いまでは、紬糸の多くは他県、中国の業者に頼っているようですが、品質的には均一で扱いやすく良い糸が入るようになった、と実際に織っている人たちは語ります。
一方で、不揃いな紬糸の風合いが好きな人にとっては、この糸の変化に寂しさを感じる人もいるようです。

作っている人にとっては完璧なものを作りたいというのは当然のこと。しかし、使う人の中には不揃いが味だという人もいる。絣でもそうで、絣のズレはなくしたいという作り手、それが味だいう使い手。その矛盾は絶え間ない作り手、使い手の問答によって落ち着くところに落ち着く、そうして残ってきた伝統の形。何百年とつづく伝統工芸でさえ絶えず揺れ動いているのです。


絣がずれないようにするひと手間、効率が悪いように思えても、これば久米島紬の丁寧な絣を支えているのは確か。効率化という一般論では量りきれない複雑なものがモノづくりの中にはあります。
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[ 2011/03/21 18:38 ] 久米島紬 | TB(0) | CM(0)
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プロフィール

shoji

Author:shoji
名古屋の学生です。
今年度は日本の伝統産業を巡る旅に出てます。
旅先で見たこと体験したことを日々綴っていきます。

※すでに旅は終了しています。

mail:cus-show at hotmail.co.jp



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