shojiの伝統産業を巡る旅

名古屋の学生、shojiが各地の伝統産業を徘徊してます。

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与那国島の織物

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更新が遅くなって申し訳ありません。
与那国島の織物を紹介します。

冒頭の写真は「カガンヌブー」と呼ばれる与那国島のミンサーです。

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ミンサー」といえば有名なのが左の「五つ四」のものですが、与那国のミンサー「カガンヌブー」は二つの四角が少しずれた模様が特徴です。
この模様は「ミトゥダフディリ」(夫婦絣)と呼ばれ、二つの四角は夫婦を表します。説によれば、夫婦寄り添って、妻が一歩退いて夫を立てる、夫婦絣の横の二本の平行線と、繰り返される模様は永遠を意味し、両端に施されたヤッサミ(ムカデの足)柄は通い婚の風習によるもので「足しげくおいでください」の意味がある、とされています。

与那国島には島ならではの織物が数多く今も尚織られて続けています。
他の島とは趣が異なる織物たちを紹介していきます。
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まずはこの「シダティ」。
沖縄各地でみられる、手ぬぐいのような布(広くティサージと呼ばれる)を想い人に渡す風習は与那国島にも見られます。与那国島の場合は、「帆船の時代、兄弟の誰かが旅に行くとき、必ず帰ってこいよ、と姉妹が情を込めて織った」(ミンサー全書・南山舎)とあるように、旅先の安全を祈願して織られていたようです。

与那国島は「渡難(どなん)」という別名があるほど、島の周りが風が強く、航海に危険が伴いました。このシダティは心配する家族たちの心の拠り所だったことでしょう。

ちなみに与那国島にて見た資料によりますと、

花織に、五つの格子模様をならべて織られその柄を、七すじ織り込まれる。なお、両端にも同じ柄が織り込まれる。

これをまとめて解釈すると
(1)五つの格子柄は= いちんかわらぬ
(2)七つのすじは= 何事ん
(3)両端の九つで= この願いは叶える


という意味が言い伝えられているそうです。

いまでも8000円ほどで地元で売買されており、主に祭事で頭にまいたり腰から垂らして使われるそうです。
与那国島にはこうした祭事関係の織物の需要が一定量存在します。地元で需要があるという環境は織物をしている人にとって何よりの支えです。

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次は「ドゥタティ」。
ドゥタティとはギンガムチェックの織物で仕立てられた伝統的な作業着のことです。

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今でも儀式などで着用されています。写真で無地のように見える服が「ドゥタティ」です。よく見ると「カガンヌブー」も腰にまかれていますね。

たまたま与那国島にてあったフィンランドの方にドゥタティの端切れをみせたところ「ギンガムチェックだ!」と驚いていました。
このデゥタティが自然発生的に生まれたものなのか、海を渡って来たものなのかは分かりませんが、他の沖縄の島々では見られなかったチェック模様の存在に与那国島の特異性がうかがえます。

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与那国島の織物は基本的に天然の染料を用います。
その日に使う染料はその日に採って使うのが与那国流。不思議と同じ種類の植物をつかっても他の島とは少し違った色調になります。

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例えば、よく褐色として使われる「車輪梅」ですが、与那国島ではピンクとして使われたりします。その日にとった”フレッシュ”な植物をつかっているからでしょうか。水分を多く含んだ状態の植物のままだと濃厚な染液がつくれないから淡い色になる・・・のかな?とか予想しますが。

ちなみに右の緑はハイビスカスによるもの。染色の世界では植物だから緑に染まるということはほとんどなく、むしろ緑色に染まる植物は滅多にありません。ただ与那国では意外と緑色が出る植物が手に入るのだそうです。

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与那国花織と呼ばれる細かな紋織りは、読谷山花織のように裏に浮き糸がでる花織ではなく、緯糸(よこいと)を浮かせて織る緯浮(よこうき)花織です。裏表で違った模様が出るのが特徴です。

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同じ色の表と裏です。
どことなく、与那国島で見る織物はやさしい色調のものが多いように思えます。

しかし、昔からそうであったわけではありません。
与那国島の織物が世に出たのは、1984年、第8回全国伝統工芸展にて島の織り手、三蔵順子さんが織った「ダッチン花織」(ダッチンとは8つという意味)が最高賞の総理大臣賞を受賞したことがきっかけです。それまで与那国島の織物は全くの無名で一気に脚光を浴びたそうです。

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これは昔の花嫁衣装の柄だそうです。
基本的にこうした今となっては地味に移るようなものが主流でした。それが与那国の織物が工芸品となり、外に出て行くようになってから色のバリエーションも増え、流行を取り入れて織られるようになりました。

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これは与那国町伝統工芸館で買った端切れのひとつ。
いまではあらゆる色の組み合わせの試みがされています。
その一方で、シダティ、ドゥタティなどの変わらない伝統織物も織り続けられています。
島に自生している植物で大概の色は出すことができ、地元での織物の需要もほどほどにある。
織物をする環境としてはかなり恵まれていると、島の織り手も語ります。

与那国島に来るまでこんな織物があるとは知りませんでした。とくにシダティの独特の柄は印象的です。
日本の西の果ての離島、与那国島はどこか不思議な島です。
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[ 2011/06/10 16:33 ] 与那国島 | TB(0) | CM(0)
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プロフィール

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Author:shoji
名古屋の学生です。
今年度は日本の伝統産業を巡る旅に出てます。
旅先で見たこと体験したことを日々綴っていきます。

※すでに旅は終了しています。

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