shojiの伝統産業を巡る旅

名古屋の学生、shojiが各地の伝統産業を徘徊してます。

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日樽、日景社長に聞きました。

コンポ 1 (0.00.16.21)
「日樽」工場見学の後、日景社長に秋田杉桶樽についていろいろお聞きしました。
以下、話の要約です。言葉、口調などは少し変えてあります。

コンポ 1 (0.00.09.17)
Q:そもそもこの酒樽が何に使われているのかいまいちわからないのですが・・・。
A:基本的にお酒の香り付け。よく目にするシーンですと、祭りや祝い事の鏡開きのアレです。丁度香りがついた頃に、蓋を割って開けるんです。(ちゃんと鏡開きにも意味があったのですね。)4、5日のうちに飲まないと香りが着きすぎてしまいます。
しかもこの酒樽、側板に接着剤を使っていないのです。酒のアルコール分で接着剤が溶け出す恐れがあるためです。

Q:桶、樽、工芸品の売れ行きはどうですか?
A:ここ日樽ではイベント用酒樽と工芸品の割合が9:1ぐらいです。ただ、造り酒屋さんも低迷する昨今で酒樽の需要も年々下がってきてはいますが、今でも酒樽を目にするように、需要が無くなるということは当面なさそうな見通しです。
桶と酒樽を両方取り扱っているのは、ここぐらいです。主な取引先はデパートや専門店で、直に出向いて売りに行くこともあります。あとはスーパーや道の駅のお土産ショップなどですが、常設のコーナーでは冷暖房が効き、商品が傷む恐れがあるためなるべく置かないようにしています。
他、社長個人の展覧会、インターネット販売などもしています。ネットでは思いもよらない物が売れますね。

Q:この先の売り方に対する展望は?
A:百貨店、デパートの不調もありやはりインターネットが増えてくるのかな?という見方はあります。ただ、そんなにぐっと増える兆候もないし、社内でホームページを作ったり、というのは難しいですね。現在では他社に通信販売を委託しています。

Q:工芸品でどのようなものが売れますか?
A:コップのような細かいもの、おひつなどで、特におひつは日樽さんで特許を取っている他にない物です。しかし、なかなか説明しないと良さがわかってもらえないのがネックで、例えば、木のコップは中の飲み物が冷めにくい、ぬるくなりにくいと説明すると、納得して買っていって下さいますね。

コンポ 1 (0.04.40.19)_1
Q:天然杉から高齢級材にシフトする森林管理局の供給の計画ですが、秋田杉桶樽の業界ではどんな影響がありますか?
A:高齢級材はやはり天然杉と比べ、径が小さく柾目板が取れる部分が少ない、年輪が荒いため、工芸品は難しくなります。しかも赤身と白身の間に黒ずみが出来てしまうんですよ。昔は杉をイカダにして運んだため、そういった黒ずみがとれたんですよ。(こんなところにも隠れた合理性が・・・。)

Q:やはりここでは主に杉を使いますか?
A:そうですね。お風呂のものだとヒバを使ったりしますね。あとは特別にお風呂をヒノキとかサワラとかも使ったことあります。サワラを使ったときは長野から取り寄せたりもしましたね。

Q:樽が真ん中で膨らみがあるのは意味があるんですが?
A:あれは、少しアールのついた側板→( )を締め付けることで、より強固に、漏れないようにしているんです。逆に桶の場合は真ん中か少し上とかに側板に隙間→)(をつくり、竹の箍(たが)で締め付けるんです。

DSC_2326.jpg
Q:竹の箍(たが)は編むのが難しそうですね。
A:竹を加工するのが一番難しいんですよ。工芸品の場合は竹を細く裂く必要があるし、編み方もいくつかあります。また樽とは違った技術が求められますね。

Q:ここでは工程は分業制ですか?
A:ここの職人は木取りから樽づくりまで、大体全部の工程がやれますね。だから独立してもどこ行ってもやれます。ひとつの工程しかやってないと独立も出来ませんからね。

Q:ここでは新商品の開発はだれが担当してますか?
A:私であったり個人的な知人からのアドバイスだったりですね。

Q:展示会などは定期的に行っているんですか?
A:数年前は病気で歩けなかったけど、今は体力的にも回復して、去年も大阪とか池袋とかに行っていました。

Q:主に国内の販売のみですか?
A:そうですね。ただ西麻布とかは大使館がたくさんあって、そういったところからうちに直接注文があったりしますね。ただ言葉がわからなかったり、送り方がわからなかったりで、海外への販売は難しいですね。

Q:後継者はいますか?
A:息子は一時、ここの仕事をしてましたが今は別の仕事をしています。将来またどうするかわからないし、後継者問題は深刻ですね。
Q:ここで働いてらっしゃる一番若い方はおいくつくらいですか?
いまうちにいる若いのは28かそこらかな?

Q:秋田杉桶樽の何をみんなに伝えたいですか?
A:やはり酒樽は色合い、香りですね。あとおひつはご飯をいれればおいしくなる、味噌、漬け物を入れれば木の成分で旨味が増す。木にはいろんな作用があるし、見た目も美しいです。都会の人とかだと、一つでも木のものを置きたいとか言ってくれますね。

Q:社長にとって「伝統」とはなんでしょう?
A:特に木のもの、昔はみんな木の容器だったんだけども、その使い方が今は失われつつあるし、それを知らないという若い方もいないわけですからね。それにもともと飾って置くものじゃないから、実際に使って、馴染んでくるものを作りたいですね。ですから、特にこれからの若い人にはそれをわかって使ってもらいたいという気持ちはありますね。木の良さ、ものの良さを再確認してもらいたいですね。

以上がお話の要約です。
いろんなものを見させていただき、そのどれもが僕の世代の目からも「いいもの」に映りました。こういった産業はプロモーション次第でもっとイメージが良くなるし、新たな需要も見えて来ますから、伝統産業はやりようによってもっと可能性が引き出せると思いました。

お話に付き合って下さった日樽、日景社長、誠にありがとうございました。
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[ 2010/06/03 16:38 ] 秋田杉桶樽 | TB(0) | CM(0)
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プロフィール

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Author:shoji
名古屋の学生です。
今年度は日本の伝統産業を巡る旅に出てます。
旅先で見たこと体験したことを日々綴っていきます。

※すでに旅は終了しています。

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