shojiの伝統産業を巡る旅

名古屋の学生、shojiが各地の伝統産業を徘徊してます。

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伝統工芸士、高橋久一さんに聞きました。part1

毎回、編集時間、記事ともに長くなる「~さんに聞きました。」ですが、話の内容もどれも大切なことで、是非見てもらいたいと思い、今回もボリューミーです。

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というわけで、伝統工芸士、高橋久一さんに曲げわっぱの「塗り」のことをお伺いしました!前回の記事で紹介しましたが、漆の乾燥には水分が必要で、湿気があり、風のない「ムロ」と呼ばれるところで乾燥させます。ムロはじめじめ、どんよりした狭い部屋ですが、高橋さんが地道に作業をしておられました。

「漆には負けないか?」
高橋さんの威勢の良い第一声で始まりました。「漆に負ける」とは漆にかぶれること。漆が完全に乾燥してしまえば被れることはありませんが、素人が迂闊に乾燥していない漆に触ると大変なことになります。
下地、中塗りを全て漆を重ね、漆本来の良さにこだわる高橋さん。漆ってなかなか奥が深いと感じさせられます。

では以降、お話の内容をQ&A風に。
Q:漆と曲げわっぱの組み合わせはよく目にしますが、もともと川連漆器の流れを汲むものですか?
A:そうそうそうそう。私は川連の出身だから。大館は漆器の産地じゃないし、そうじゃないとなかなか出来ないからね。

Q:お椀などの挽きものと曲げわっぱとの塗りの違いはありますか?
A:いや、基本的には同じだね。ただ、今は漆器の産地でも下地から漆でやっているところは少ないね。下地まで漆でやっているかってのが重要なんだよね。品質表示には、表面塗装にウレタン、カシュー、無水合成漆、漆とは書いてあるけども、問題は下地は載ってないわけね。でも漆塗りにおいて一番重要なのは下地を漆でやっていることなんですよ。漆器は全てそうですよ。漆には漆を重ねていかないと。漆と化学合成塗料とは相性が悪いんですよ。

Q:下地が漆かそうでないものでは目に見える違いが出てきますか?
A:使っているうちに出てきます。でも表面をちらっと見ただけでは、よほどのプロでも見分けるのは難しいね。大きな違いはお値段に現れますよ。よほどでない限り下地が漆なんて書いてありませんよ。強いて言えば、伝統的工芸品と謳っている物は中も漆です。ただ、なかなか市販のものには出てこない。だから素人さんが見分けようとしたらお値段を見るのが手っ取り早いね。
漆を重ねたものの方が、堅牢な器が出来るんです。丈夫で、美しく、作り手の本当の技術とこだわりがあるものが一番ベターです。ところが、なかなかそれができないわけね。デパートでは安けりゃいいっていう人もいるし。だって手間ひま掛かるんだ。下地から漆ってのは実に大変なんですよ。技術も手間ひまも掛かるし。だから下地から漆っていうのはよほどでない限りOKするところはないですよ。だいたいは表面だけ塗ってるね。うちも親父の代はそうだったけど、私の代になってからは「それじゃぁいかん」と。やっぱり使う人の身になれば手間をかけても漆には漆をもって重ねないと。その方が丈夫だし、美しいし、きちんと使ってくれればずーっと使えるから。あと使ってくるうちにだんだんよくなるって言われてるんですよ。代用塗料のものはだんだん悪くなっていくんですよ。輝きもなくなるし。そして本当のことを言うと、代用塗料のものは食品にはあんまりよろしくないですな。ウレタン塗装も食品衛生法的に大丈夫だと言われていますが、漆には劣りますな。化学合成塗料ってのは人間が作り出したものだから。やっぱり目の肥えた人は買わないね。だいたいお客さんに対しても失礼だからね。だから私んところは数年前から下地から全部漆です。多少お値段が高くなっても、やっぱり使う人の身になれば、いいもの、体にも安全だし、美しいし、人にあげても自信を持ってあげられるものをつくらないと。使う人の立場になっていいものをつくる。これがわたしの信条ですな。やっぱりお客さんはお金を出して買うんだから、「あぁ~買ってよかった。」って思う塗りを提供したいですね。
今これ塗ってるのはお弁当箱のしきりですよ。こうやって一個一個下地からぬってるんです。他でこんなことやってるところなんてないですよ。ところが出来上がったものが「グー」ですよ。
(shoji:是非このお話を漆をよく知らない人たちにも聞いてもらいたいですね。)
そうでしょ?目に見えるところはだれでもわかるんだから、目に見えないところを追求して、自信をもったものづくり、考え方、生き方が大事になるんですな。
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(初め、何だろう?と思っていた小さな板はお弁当箱のしきり板でした。しきり板もこうして丁寧に下地から漆で塗る。その地道なこだわりが「グー」なものを生むのですね。)

Q:お客さんはどんな方が多いですか?
A:今ね、お弁当ブームでしょ。経済的にも、健康的にもいいし。若い人も高くていいのかってくよ。おひつなんかも、若い人やご夫婦が買っていくね。まぁ、ある程度知性と教養を持った方が良さをわかっていて、自分用だったり贈り物にしたりするみたいですよ。
(shoji:おひつに入れたご飯はおいしくなるし、それを覚えたらなかなか離れられないですもんね。)
そうそう。でも作る方は大変ですよあなた。しきり一つから塗ったりしてるんですもの。やっぱり自分で恥ずかしくない物作ってるからバッチリですよ。

Q:主な取引先となるとどうですか?
A:うーん、こういう工芸品ってのはねぇデパートとかに展示しただけではなかなか売れないんですよ。でもこういう伝統工芸品を扱ってる専門店からは注文は来ますよ。ただ生計を成り立たせるほどじゃないね。だから職人たちはデパートを主流として自分で販売すると。東京、名古屋、九州、全国に行きますよ。地元のショッピングセンターにも置いてあるけど、あんまり売れないね。
自分で売り歩くということは、お客さんに直にお話が出来るし、希望も見えてくるし、お客さんから教えてもらうこともあるんですよ。

Q:では新商品の開発といったものもご自身で?
A:そうそう。たまにお客さんから「ここはこうでここを塗って」という注文も来ますから、そうやってできた商品もいっぱいありますよ。やっぱり白木のお弁当箱はおかず入れられないでしょ?だから漆が好まれるんですな。あとなんたって漆は自然の物だからね。体には安全だね。

part2へ続きます。
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[ 2010/06/07 00:58 ] 大館曲げわっぱ | TB(0) | CM(0)
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プロフィール

shoji

Author:shoji
名古屋の学生です。
今年度は日本の伝統産業を巡る旅に出てます。
旅先で見たこと体験したことを日々綴っていきます。

※すでに旅は終了しています。

mail:cus-show at hotmail.co.jp



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