shojiの伝統産業を巡る旅

名古屋の学生、shojiが各地の伝統産業を徘徊してます。

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伝統工芸士、高橋久一さんに聞きました。part2

コンポ 1 (0;00;06;10)

続、高橋久一さん聞いております。

Q:若い方の「漆離れ」といったものは感じますか?
A:んー、若い人でも買うね。ただそこにはその人の知性と教養が入ってくるね。それがないと、安けりゃいいってなっちゃいますよ。こういう伝統工芸品ってのは説明しないとわかんないですよ。で教えると、納得されてお買い求めになるんですよ。そうするとわかって買ってもらえるから、修理もしやすいんですよ。売りっぱなしはせず、最後までお付き合いしますよ。作ってる本人が売りにきて「困ったことがあったらいつでもいってください。」ときっちり対応するから、お客さんは安心するわけですな。作り手の顔も見えるしね。

高橋さん:やっぱり伝統産業の衰退の原因は、販売力のなさだね。売るのを問屋オンリーに任せちゃうとおかしくなっちゃうんですよ。時代の変化もあるけど、やっぱりいいものを提供ですればお客さんは離れませんよ。
Shoji:そういえば大館には産地問屋が見られませんね。
高橋さん:大館には問屋はないですよ。デパート問屋との取引を主にしてるところはありますけどね。

Q:ちなみにおかず入れるところが漆、ご飯いれるところが白木というお弁当箱ありますか?
A:うちのいいやつはそれだよ。漆の良さはお醤油でもソースでも何でも入れていいところ。ただご飯は白木の方がおいしいからね。それでよく売れるもんだから生産が追いつかないくて、だからわたしこうやって一生懸命塗ってるんです。それでもしきり一個一個塗ってるんです。ここまでやるのは大変なんですけど。でも職人ってのはこうゆう気持ちが大事なんです。

高橋さん:昔の職人ってのは腕と誇りと自信を持って、お客さんになんて言われても俺は一番だってやってたんです。ところが時代の流れでこうなってしまって・・・。それで国が保護しようとしてるけど、産地の方は苦労してるんですよ。なんぼいいもの作っても売る場がなかったら困るし、さればとて問屋さんに安くやったんじゃ利益も上がらないし。だから伝統産業ってのは後継者は少ないし、漆なんて特にそうだね。
安ければいいっていう時代は終わったし、こういう産業にももっと光を当てて、国の方も産地の気持ちになってもう少し力を入れてもらえると、いい職人も生まれるのにね。

Q:この先の曲げわっぱの「塗り」はどうなっていくと思われます?
A:いやー、これで天然杉がとれなくなってくるでしょ?いい杉はおひつとかお弁当箱になっていくんだろうけど、目が粗くてあまり見栄えが良くない木ってのは、すっぴんでは出せないのもあるんですよ。そこに塗りの技術を加味してやることで商品になるわけね。でも真っ赤にやっちゃ杉の柾目が見えないし、そういったときは春慶塗り(木肌が見える塗り)をやっていくんです。

高橋さん:他の産地は下地専門、中塗り専門、上塗り専門と分業になってるんですよ。そうすると、人の手を渡る度にお金が掛かる。でもここはそれを一貫してやっているんです。全部自分でやることで納得した商品ができるんです。価格も安くできるしね。でも他の漆の産地じゃ無理だろうね。うちもたくさんの注文が来たらとても対応できないね。
漆は手間がかかるし、漆器の産地は大変ですよ。暑いときは売れないし。
Shoji:漆業界は本当に大変でしょうね。安い海外製品の影響をもろに受けますからね。
高橋さん:受けますね。安けりゃいいって人は表面塗装だけ漆の物にいくし。でも、知性と教養があって、プライドをかけてそんな物は使わないって人もいるし、我々みたいに人数の少ないところはそこに一点集中で自信のあるものを提供するんです。やっぱりいいものつくっていれば間違いないね。

Q:この辺で漆の木ってあるんですか?
A:ないね。昔はあったんだけど。この辺で採れるとしたら岩手県の浄法寺塗りのところだね。浄法寺は本当にいい漆がとれるんですよ。でも今は中国産がほとんどだね。中国産も悪くないけど、日本産の漆ってのは一番いいですよ。日本の風土に合った漆はいいね。ところが、量が採れないもんだから高いんですよ。

Q:これで6-9月になると漆が採れる時期になると思うのですが、漆を採りにいかれるんですか?
A:いやいや、漆は採りにいきませんよ。「漆かき」っていう専門の職人がいるんだから。塗り師は塗りは出来るけど採りには行きませんよ。

高橋さん:漆ってのは乾くと黒くなるんですよ。
Shoji:今塗っている赤い物も乾くとちょっと黒くなるんですか?
高橋さん:なるね。でも一ヶ月くらいするとどんどん発色してくるし良くなってくるね。漆の器は塗って一年かけて完璧に堅牢な器になるんです。だから最初の一年はやさしく使ってもらいたいね。聞いた話によると。漆ってのは奥が深いですよ。その分、いいものができた時は喜びを感じるね。そしてお客さんにも喜んでもらえたときに、やってきた甲斐があったなと思いますね。
Shoji:今でこそ、華やかな業種といえばIT関係なんかですけど、中身を見ればそういった生き甲斐を感じられるかは疑問ですね。本来ならば、こういった伝統産業はもっと魅力ある産業だと思うんですけどね。
高橋さん:やっぱり自分の責任とプライドを持たないと。どの仕事でもそう。相手があるもんだから。ものづくりでは出来るだけ単価を上げず、いい商品を提供するってのが一番ベターですな。
Q:ここは曲げわっぱと塗りを一貫でやられているんですか?
A:ある程度薄く挽いてきて、後は一貫してうちでやってるね。もう大変ですよ笑

Shoji:大館には意欲的な職人さんが多いなと思います。というのも、他の産地だと売るのは問屋、作るのは職人と分かれてしまいますからね。そうするとどうしても今の時代では歪みが出てきてしまいますよね。
高橋さん:あぁ、そういうこと、そういうこと。
Shoji:やっぱりここは問屋さんが仕切っている産地じゃなく、職人が直に歩いて売りに行って説明してらっしゃいますしね。
高橋さん:それが基本だよね。そうやってると狭くなることはないね。ただ問屋さんにぽんと出して、何個はい、いくらですっていうのよりは、実際にお客さんの喜びとか聞けるから嬉しいね。
Shoji:作る人もそういった喜びを感じられるのはいいですね。
高橋さん:そうそうそう。よぉし、お客さんにいいもの作ってあげようと、意欲が違ってくるんですよ。そうするとお客さんも喜んでくれるし、あそこに頼めば間違いないってなるんですよ。やっぱりこういうものづくりってのは、地道にこつこつやってると報われますよ。と、思います。
Shoji:どうも先端産業とかだと、そういった喜びが返ってこないですからね。そういう点でも、こういったものづくりは価値あると思いますね。
高橋さん:価値あるね。やっぱり日本の伝統だし。こういう伝統産業なくなると寂しいですよ。
Shoji:将来グローバル化が進んで、いろんな文化が入ってくる中でこういった日本固有のものがないと日本のものづくりも生き残っていけませんね。今でこそ、あまり注目されていないところもありますが、長い目で見れば、ものはいいし、日本で育ったものだし、これを残していかない手はないですよ。
高橋さん:そう思って国が指定産地をつくってやっているけど、俺から言わせれば不十分ですな。
Shoji:やはり援助の仕方も、ただ援助すればいいのではなく、例えば問屋が間に入る産地でなかなかお客さんの喜びが返ってこないところなんかは、作り手さんの意欲づくりも大切ですしね。僕も将来、こういった産業にうまく付き合いたいと思いますね。


以上で高橋さんとのお話は終了です。
お話の中でも「知性と教養」という言葉が数回でてきました。伝統産業の問題は、作り手よりも、消費者の方に問題があるのかもしれませんね。
高橋さん、作業している中お話をして下さって本当にありがとうございました!
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[ 2010/06/07 01:37 ] 大館曲げわっぱ | TB(0) | CM(1)
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[ 2016/05/02 10:49 ] [ 編集 ]
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プロフィール

shoji

Author:shoji
名古屋の学生です。
今年度は日本の伝統産業を巡る旅に出てます。
旅先で見たこと体験したことを日々綴っていきます。

※すでに旅は終了しています。

mail:cus-show at hotmail.co.jp



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